自転車でやせる人とやせない人の「乗り方の違い」とは?スリムで強靭な体を手に入れる方法ツール・ド・フランスさいたまを制したタデイ・ポガチャルも鍛え抜かれたボディをしている Photo:Yuzuru Sunada

プロのサイクリストは、贅肉のない引き締まった体に強靭な筋肉を宿しています。それは、サイクリングの「ある特性」が脂肪の減少と大きく関係しているから。しかしも、プロのように毎日乗らなくても、週末に走るだけで十分に効果を得ることができます。無理せず、効率的に「スリムで強靭な体」を手に入れる方法を紹介します。(スポーツジャーナリスト 山口和幸)

週末だけでも脂肪は落とせる

 さまざまなスポーツの中でも、無駄な贅肉を持たないトップアスリート揃いなのが、自転車を使って長い距離を走るロードレースだ。有酸素運動の代表的なスポーツであり、それを職業としているプロ選手においては体脂肪が極限まで少なくなってしまうという特徴がある。

 11月5日、さいたま新都心駅周辺で開催された「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は、毎年7月に行われる世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスで活躍した世界のトップ選手らが招待され、日本のファンの前をさっそうと駆け抜けていくものだ。その出場選手のボディはみな、見事なまでにシェイプアップされていた。

 「その世界の一流選手なのだからスリムなボディなのは当然。一般のボクたちにはあてはまらないでしょ」

 「そりゃあツール・ド・フランスのように1日200kmも走ればフィットネスになるよ」

 そんな印象を持たれやすいが、じつは自転車という道具を使えば、どんな人でも比較的簡単に体脂肪を燃焼させることができ、健康維持・増進の一役となることをご存知だろうか。アスリートのような乗り方をしなくても、その恩恵は一般レベルでも享受できることが医学的に実証されて久しい。週末に半日ほどサイクリングする時間が取れれば、その効果はある程度期待できる。

 キーポイントとなるのは、「最も効率的に脂肪を燃焼させる運動強度」をコントロールすること。その運動の強弱を一番制御しやすいのが自転車という道具なのである。

 体重減や健康維持・増進を目指してフィットネスをするとき、ただがむしゃらに身体を動かせばいいというわけではない。身体に蓄えられた脂肪を減らすには有酸素運動をする必要があり、さらに脂肪を効率よく減らすためには運動強度が重要となる。