世界で最も影響力のある一族に信頼される金融パートナーになるには、安値で買うことが役に立つ。つまり、先方の価値が低い時期に関係を築いておくことだ。累積損失が2億5000万ドル(約370億円)ほどに達していた小規模なバイオテクノロジー企業が、トランプ一族の事業帝国における社内投資銀行に変貌を遂げたのは、それが理由の一つだ。今では暗号資産(仮想通貨)から製造業案件まで手掛けている。現在は ドミナリ・ホールディングス という名称で知られる同社が異例の台頭を始めたのは、2021年のことだった。ドナルド・トランプ氏の支持率は同年1月6日の米議会議事堂襲撃事件を受けて急落。民主党議員や検察は、後に多くの刑事・民事訴訟を抱えることになるトランプ氏と同氏の関連企業を調査していた。ウォール街でトランプ氏に賭ける者はほとんどいなかった。
トランプ一族に賭けた無名企業、今や投資仲介役に
金融業界に参入してすぐトランプタワーに入居したドミナリ社、現在は暗号資産から製造業まで一族の幅広い事業で主要アドバイザーを務める
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