
圧倒的な魅力のある人工知能(AI)搭載型スマートフォンの開発競争が進んでいる。しかし、アップルは競争相手のアンドロイド陣営から周回遅れになりつつある。
アップルは、より賢い音声アシスタント「Siri(シリ)」を出すと予告したが実現しておらず、他の「アップル・インテリジェンス」の機能は期待ほどではない。一方、サムスン電子は同社製スマホ「ギャラクシー」への「Gemini(ジェミニ)」搭載を進めており、新型の「Google Pixel(グーグル・ピクセル)」にはさまざまなAI機能がぎっしり詰まっている。われわれが実際に使えるツールだ。
アルファベット子会社のグーグルが20日に発表し、28日の発売が予定されている今度の「ピクセル10」は、カメラアプリでAIが生成したブレザーを筆者に着せてくれた。筆者の声だと信じてしまうような複製の声が、筆者が話せないドイツ語で昼食について流ちょうに話した。ユナイテッド航空のカスタマーサービスに電話をかけると、フライト予約情報が自動的に画面に表示された。
スマホ市場におけるピクセルのシェアはほんのわずかしかなく、われわれが自分のモバイル機器に愛着を持っていることを考慮すると、この状況は変わりそうもない。だがピクセルは、AIに関して「iPhone(アイフォーン)」よりずっと進んでいる。グーグルは最近の広告で、アップルの賢いシリの遅れをあざ笑い、アイフォーン所有者に新たなピクセル10への乗り換えを勧めている。