米メタ、AI人材の採用凍結 広範な再編に合わせPhoto:Smith Collection/Gado/gettyimages

 米メタ・プラットフォームズが人工知能(AI)部門の採用を凍結したことが分かった。事情に詳しい関係者らが明らかにした。同社は50人以上のAI研究者やエンジニアをここ数カ月で採用していた。

 先週からの採用凍結は、AI部門の広範な再編と時期を同じくしており、現従業員の部門内での異動も停止されている。今回の採用凍結の期間は、社内でも伝えられていない。

 また外部からの採用凍結に関して例外が認められる可能性があるものの、その場合はメタの最高AI責任者(CAIO)であるアレクサンダー・ワン氏の許可が必要になると関係者らは述べた。

 メタの広報担当者は採用凍結を認め、「人材を採用し、年間予算と計画の策定を行った後、新たなスーパーインテリジェンスへの取り組みに向けた強固な体制を構築するための基本的な組織計画だ」と説明している。

 主要なAI企業は今年に入り、いずれも積極的な採用を行ってきたが、メタはその中でも人材獲得競争に力を入れて有望な研究者に9桁の報酬パッケージを提示。いわゆるリバース・アクハイヤーを活用して、新興企業などの主要幹部を引き抜いてきた。だがアナリストらは大手テクノロジー企業の投資規模に懸念を示しており、一部はメタの急増する株式報酬コストが、株主還元の潜在的脅威になると指摘している。

 関係者らによれば、メタは再編によりAI部門を4チームに分割。新規採用者の多くが所属するスーパーインテリジェンスを担当する「TBD Lab」、AI製品を担当する第2チーム、インフラを担当する第3チーム、そしてより長期的な視野と探求を要するプロジェクトを担当する第4チームに分けている。第4チームの「ファンダメンタルAIリサーチ(Fundamental AI Research)」は、今回の再編でほとんど影響を受けていない。