米東部ニューヨーク州控訴裁判所(高裁)は21日、ドナルド・トランプ大統領やその関連企業を相手取った民事訴訟で約5億ドル(約740億円)の返還を命じた1審判決を取り消した。この判決を巡っては意見が大きく分かれており、州最高裁でのさらなる審理に道が開かれた。トランプ氏に対する民事訴訟は、同州のレティシア・ジェームズ司法長官が提起していた。5人の判事による今回の判断は、トランプ氏にとって大きな後押しとなる。ピーター・モールトン判事は三つの意見書のうちの一つで、「被告らに対してニューヨーク州に5億ドル近くを支払うよう命じた不当利得の返還命令は、米国憲法修正第8条に違反する過剰な罰金だ」と記した。民主党のジェームズ氏は2022年9月にトランプ氏を提訴。トランプ氏と息子2人、そして一族企業トランプ・オーガニゼーションの元幹部らが、有利な条件で不動産融資を得るために貸し手に虚偽の申告をしていたとして、「信じがたい詐欺と違法行為」が見つかったと指摘した。