米連邦準備制度理事会(FRB)にとって労働市場が最重要課題となり、その脆弱(ぜいじゃく)性と経済へのリスクが浮き彫りになっている。良いニュースは、失業率が低水準にとどまり、企業が人員削減にそれほど関心を持っていないことだ。悪いニュースは、企業が人材採用にもそれほど関心を持っていないことだ。この不安定な状況は、比較的小規模なレイオフの増加でも、経済が雇用を減らし始める可能性があることを意味する。このプロセスは一度始まると逆転させるのが難しい。この可能性に関する懸念はFRBで顕著になっている。特に7月の雇用統計の改定値で、ここ数カ月の雇用の伸びが以前考えられていたよりも大幅に弱かったことが明らかになった後で目立つようになった。このため、インフレ率がFRBの目標である2%を上回っているにもかかわらず、ジェローム・パウエルFRB議長は22日、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを実施する可能性を示唆した。