
1位の年収は899.9万円
トヨタ・ホンダ・日産の年収序列は?
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い自動車メーカー・部材会社ランキング」を作成した。対象期間は2023年5月期~24年4月期。業種で「輸送用機器」を対象としている。そのため、厳密には自動車メーカー・部材会社ではない企業もランクインしていることをご了承願いたい。
それでは早速、ランキングを見ていこう。
1位は言わずと知れた業界最大手のトヨタ自動車で、平均年収は899.9万円(平均年齢は40.6歳)。同様の趣旨で行った前年版のランキングに引き続き、トップを維持した。
今回のランキング対象となった24年3月期の業績は、売上高が前期比21.4%増の45兆953億円、営業利益が同96.4%増の5兆3529億円、純利益が同101.7%増(約2倍)の4兆9449億円と大きく伸びた。前期まであった半導体不足の影響が緩和されたほか、為替の影響がプラスに作用し、業績を押し上げた。
しかし、今後の業績は不透明だ。最新の26年3月期の業績見通しは、売上高は48兆5000億円と従来予想を据え置いたものの、営業利益は前期比33%減の3兆2000億円と、従来予想から6000億円引き下げた。同様に、純利益は前期比44%減の2兆6600億円、従来予想は3兆1000億円だった。
利益を大幅に下方修正したのは、トランプ政権が打ち出した自動車関税の影響だ。また、円高も利益を押し下げる要因だという。業績が悪化すれば、従業員の平均年収にも悪影響が出るかもしれない。
2位は日産自動車で、平均年収は877.1万円(平均年齢は41.2歳)。日産は経営再建の一環で、国内工場の再編を発表。追浜工場(神奈川県)での車両生産を27年度末に終了し、九州工場(福岡県)に移管・統合する見込みだ。この他にも人員を含めたさまざまなリストラクチャリングを進めているため、今後の平均年収にも影響が出そうだ。
3位はシマノで、平均年収は846.8万円、平均年齢は41.3歳だった。大阪府堺市に本社を置く、自転車部品や釣具の開発・製造、販売を手掛ける企業だ。
4位はトヨタ系列の部品メーカー、デンソーで平均年収は839.1万円、平均年齢は44.7歳だった。
5位はホンダで、平均年収は831.1万円。平均年齢は44.7歳でデンソーと同じだが、平均年収でわずかに下回った。
こうしてランキングにしてみると、日本の基幹産業である自動車業界で、平均年収1000万円以上の企業はないことが分かった。世界に誇る日本のトップ企業、トヨタでさえ899.9万円だ。
しかし、従業員数に着目してほしい。トヨタの単体従業員数7万224人は、今回のランキングおよび全業種データの中で断トツだ。にもかかわらず、この平均年収であることが、トヨタの強さを物語っている。
次ページ以降で、6位以下を含む全89社の順位と平均年収を掲載している。三菱自動車工業、スズキ、マツダ、SUBARUといった自動車メーカーや、ヤマハ発動機、川崎重工業など二輪車メーカー、はたまた豊田自動織機やアイシンなど大手の系列サプライヤーは何位だったのか。ぜひ、確認してみてほしい。
(ダイヤモンド・ライフ編集部)