「なぜランクルじゃないの?」プリウスが盗まれる“恐ろしい理由”と、被害者に起こりうる悲惨な末路Photo:TOYOTA

トヨタ自動車「プリウス」の盗難事件が増加しているようです。なぜ、プリウスが狙われるのでしょうか?愛車が盗まれると、どんな悲しい結末が待っているのでしょうか。被害者のはずなのに、罰せられることもある「絶対やってはいけないこと」は?(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

なぜプリウスの盗難が多いのか

 7月12〜13日に長野県白馬村で開催された「ジャパンEVラリー」にて、EV(電気自動車)試乗会の同乗インストラクターを務めてきました。そのとき、衝撃的な話を聞いたのでお伝えしたいと思います。

 ある参加者が、「私はプリウスに乗っていたのですが、盗まれちゃったんです。しばらくして見つかったのですが、自分のクルマが窃盗団に使われていたと知り、ものすごくショックでした」と言うのです。

 クルマが盗まれるいうと、海外に売り飛ばされたり、バラバラに分解されて各部品がオークションサイトやフリマサイトで売りさばかれていたり……といった話をよく聞きます。一方で、「犯罪の道具」にされてしまう話も近年、増えているようです。実際、ニュースで「犯行に使われたクルマは盗難車でした」といった話を耳目にしたことがある人も多いと思います。

 そのプリウスを盗まれた参加者によると、「犯罪者はプリウスを狙っている」と、警察で話があったとのこと。なぜ、トヨタの高級車ランドクルーザーではなく、アルファードでもなく、プリウスが標的になるのでしょうか?

 犯罪にクルマを使うなら、目立たないクルマを選ぶのは当然でしょう。真っ赤なスポーツカーが犯行現場で目撃されたら、見かけた人の記憶に残ります。一方、プリウスは1997年に発売されて以降、国内の新車販売台数の年間ランキングでたびたびトップ10に入る人気モデル。要するに、プリウスは私たちが普段よく見かけるクルマなので目立ちにくいということが挙げられます。ただし、理由はそれだけではありません。