今夏の米就業者数の伸びが急減速したことで、連邦準備制度理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25ポイント引き下げることがほぼ確実視されている。ジェローム・パウエルFRB議長はこれまで、入手されるデータが労働市場の鈍化を示した場合は利下げに踏み切る可能性があると示唆してきた。5日発表された8月の雇用統計は、就業者数の増加ペースが年初から顕著に減速した明確な兆しを示した。労働省の発表数値によれば、非農業部門就業者数の伸びは8月は2万2000人にとどまり、6月はマイナスとなった。8月の失業率は4.3%と、7月の4.2%から若干上昇した。パウエル議長は先月の講演で「リスクのバランスが変わりつつあるようだ」と語っていた。また、失業率は比較的安定しており、労働市場は落ち着いているようだとし、「労働力に対する需給の双方の著しい減速に起因する興味深いバランス」を反映した状況だとの見方を示した。そのため、労働市場が予想以上に悪化するリスクが高まるという「異例の状況」を生み出したと話した。
9月の米利下げ、8月の雇用統計が決定打か
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