
米スカイダンスのデビッド・エリソン最高経営責任者(CEO)は今春、ロサンゼルス西部のイタリアン・レストランの個室に集まった数人のMTV元幹部に、ある課題を投げかけていた。それは、かつて米国のポップカルチャーを決定づけたこのチャンネルをどうやって救済し、改革するかという課題だ。
MTVのオーナーであるメディア・娯楽大手パラマウント社との合併を進めていたエリソンCEOとその最高幹部であるジェフ・シェル氏は、MTVがひどい状態であることは自覚していると語った。ただ、彼らはMTVが再び「音楽のテイストメーカー」になれるかどうか疑問に思っていた。
同CEOは、ケーブル・ネットワークのアイデアを持つ人々やMTVとの提携に興味を持つ人々から電話を受けたと語った。その中には、長年の音楽業界の重鎮アービング・アゾフ氏や、ユニバーサル・ミュージック・グループのCEOであるルシアン・グレインジ氏、そして何人かのアーティストも含まれていた、と関係者は語った。
夕食会の参加者は、ライブ・イベントの開催や80年代や90年代のバンドのインタビューや音楽ドキュメンタリーのアーカイブを活用することなど、MTVを支援するアイデアを提案した。
コムキャストは、ケーブルネットワークの多くを新会社バーサントとして分社化した。ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は、スタジオとストリーミング事業をレガシー・ケーブルネットワークから切り離し、会社を2つに分割する計画だ。
パラマウントを正式に支配することになったエリソン氏は今のところ、より自社のネットワークにこだわっている。