FRB連続利下げに期待感、8月の雇用悪化でPhoto:Bloomberg/gettyimages

 米連邦準備制度理事会(FRB)が来週開く連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを再開するかどうかの議論に、8月の雇用統計が決着をつけた。9月に利下げはするだろう。次にもっと難しい問題が浮上する。9月以降、利下げをどの程度まで、どれほどのペースで続けるのか。

 夏の間に雇用の伸びが大きく鈍化し、年内の利下げ見通しが変わった。これまで予想されていた1会合おきの利下げではなく、年内残りの会合で0.25ポイントの利下げを続けるかどうかの議論になる可能性が高い。年内はあと10月と12月に開催される予定だ。

 市場では5日、利下げ観測が一段と強まった。予想されるFRBの動きと連動する2年物米国債利回りは3年ぶり低水準となる3.506%で取引を終えた。CMEグループによると、トレーダーは目下、FRBが年内残り3回の会合でそれぞれ0.25ポイント引き下げるのに等しい利下げの確率を約75%織り込んでいる。

「次の3会合連続で利下げする可能性は十分にある」。元FRB上級顧問のウィリアム・イングリッシュ氏はこう述べた。

 FRB高官らは次回FOMCが9月16~17日に開催されるまでに、短期的な金利の方向性の判断材料になる二つの重要な経済指標を確認できる。米労働省は9日、2025年3月までの雇用統計に関する年次改定の暫定値を公表する予定で、11日には8月の消費者物価指数(CPI)を発表する。ジェローム・パウエルFRB議長は先月、就業者数の改定値が「大幅に」下方修正される可能性があるとFRBが予想していることに注意を喚起した。