NTTデータPhoto:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は富士通、NTTデータグループなど「ITベンダー」業界4社について見ていこう。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

富士通、NTTデータが前年同期比減収
野村総研、NECは増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のITベンダー業界4社。対象期間は2025年4~6月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・富士通
 増収率:マイナス1.2%(当四半期の売上収益7499億円)

・NTTデータグループ
 増収率:マイナス0.7%(当四半期の売上高1兆1044億円)

・野村総合研究所
 増収率:4.1%(当四半期の売上収益1958億円)

・NEC
 増収率:3.7%(当四半期の売上収益7157億円)

 ITベンダー4社では、富士通とNTTデータグループが前年同期比で減収だった。一方で野村総合研究所とNECは増収となった。

 富士通は25年4~6月期において売上収益は前年同期比で減収となったものの、営業利益、純利益はともに増益。特に純利益は前年同期の10倍となっている。大幅増益となった要因は何だったのか。

 また、本連載では四半期ごとの前年同期比増収率の推移をグラフにまとめているが、これによるとNTTデータグループは19四半期ぶりの減収だ。久しぶりの減収となった理由とは。

 次ページで、各社の増収率推移とともに詳しく見ていこう。