電子部品写真はイメージです Photo:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は、ニデック、村田製作所、京セラ、TDKの「電子部品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

4社とも増収を達成
TDKだけ2ケタ増

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比の増収率を算出した。対象とするのは以下の電子部品業界4社で、対象期間は2025年1~3月期の四半期である。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・ニデック
 増収率:9.8%(四半期の売上高6611億円)

・村田製作所
 増収率:5.5%(四半期の売上高4118億円)

・京セラ
 増収率:2.1%(四半期の売上高5223億円)

・TDK
 増収率:10.2%(四半期の売上高5342億円)

 電子部品業界の四半期増収率を見ると、TDKが2ケタ増収となった。通期では売上高、営業利益とも過去最高を更新した。

 もう少しで2ケタ増収だったニデックも通期で過去最高を更新。村田製作所も増収増益となった。京セラは第3四半期(3Q)までは1社だけ減収が続いていたが、第4四半期(4Q)でプラスに転じた。ただし、利益に関しては前期比で大幅減のまま回復しなかった。

 なぜ、4社とも増収を達成できたのか。また、京セラは利益を回復させることはできるのか。26年3月期の通期予想と併せて、次ページ以降で詳しく解説する。