「今夜のご飯どうしよう?」の悩みは、十八番(おはこ)=得意料理を見つければ解決! 料理教室で2500品を教えてきた料理研究家の石原洋子先生が、十八番といえるベスト100品を厳選した集大成のレシピ本『50年続く 料理教室の十八番レシピ』を刊行。作りやすさ、また食べたくなる味つけ、家族が喜ぶ工夫など、石原先生がたどり着いた家庭料理に大切なエッセンスが詰まっている。ネットにはない確かなレシピ、一生モノの料理のコツを学べる本書から、一部を抜粋してお届けします。

【78歳の料理研究家が教える】「和食」「洋食」「中華」を作るときの、目からウロコのコツPhoto: Adobe Stock

和洋中を教える料理教室

 料理教室では、月ごとに和・洋・中の料理をコース仕立てでご紹介しています。

 コツをおさえて作ると料理の腕がぐんと上がるので、それぞれ大切なことをまとめてみました。

1:1:1を覚えたら、
「和食」が簡単に!

 和食の甘辛味は「酒、みりん、しょうゆ=1:1:1、好みで砂糖を少々プラス」と覚えてください。

 この割合さえ覚えれば、きんぴらも煮ものも、魚の煮つけもおいしく作れます。

 また、和食=難しいと思っている方のほとんどは、「だし」を取るのが面倒と感じているのでは?

 安心してください。私は汁もの以外には基本的にだしを使いません。そのほうが素材の味がいきるからです。

「洋食」は玉ねぎ使いが
おいしさを決める

 洋食のおかずを見ると、玉ねぎを使う料理がいかに多いかに気づくことでしょう。

 玉ねぎは炒めると甘みとうまみが出て、自然な味わいの「だしの素」になります。

 茶色くなるまで炒めればコクもプラスでき、肉と一緒に煮れば肉の臭みをやわらげる効果も。生なら、食感と辛味が味のアクセントになります。玉ねぎ使いに注目すると、洋食作りの腕が上がること間違いなしです。

「中華」はダンドリがすべて

 料理全般にいえることですが、特に手早く炒め合わせたり、油でざっと揚げることの多い中華料理は、ダンドリこそがおいしさを左右します。

 加熱調理に入る前に、材料をすべて切り、調味料を合わせておく。

 これだけで、思いのほか手際よく作れます。

 加えて、中華料理は食べるのも時間勝負。シャキシャキとした炒めもの、アツアツの揚げものはできたてをいただきましょう。

(本稿は、『50年続く 料理教室の十八番レシピ』を一部抜粋・編集したものです)

石原洋子(いしはら・ひろこ)

料理研究家
幼い頃から母親と共に台所に立ち、「昼食は自分たちの手で」という食教育の自由学園に学ぶ。卒業後は家庭料理、フランス料理、中国料理など、各分野の第一人者に学び、アシスタントを務めたのちに独立。自宅で開く料理教室は50年以上になり、明るく飾らない人柄と確かな根拠に基づく指導に定評がある。著書は『一生もの献立』(ワン・パブリッシング)、『お豆腐、今日はどう食べる?』(家の光協会)、『77歳、石原洋子のからだが整うスープ』(主婦と生活社)など多数。