プラチナは需要が大きく、希少性は高いため需給がひっ迫!
短期間で急騰しやすいので安いときに買っておくのも手
このタイミングでプラチナが急騰し始めたのは、次のような要因がある。
「中国人の大量購入です。敏感な中国の投資家が、金に比べて割安だと早々に注目しました。すでに中国は今年7月までに世界の年間生産量の3割に相当する量を輸入。しかも、中国はプラチナの輸出を禁じているので、中国人が買うと国際市場に戻りません。国際市場のプラチナの需給はひっ迫するばかりです」(池水さん)
ここで、プラチナの特徴を確認しておこう。主な特徴は次の3点だ。
(1)金より希少……プラチナの年間生産量は、金の約20分の1。金よりはるかにレアだ。
(2)生産国が偏在……金は世界中に分散されて埋まっている。一方、プラチナは南アフリカのシェアが約7割と極端に偏在。そのため、南アフリカの鉱山で事故やストが起きると、価格が急騰する傾向がある。
(3)工業用に根強い需要……金は投資や宝飾品への需要が圧倒的。それに対してプラチナは産業に不可欠な存在。今後は水素製造用の触媒としての大きな需要が見込まれている。
「プラチナは価格が上昇したからといって、簡単に供給を増やせません。また値上がりしても、産業に不可欠な素材なので需要は減らせません」(池水さん)
こうしたプラチナの具体的な買い方として、池永さんは次のように提案する。
「金は世界の中央銀行も買う投資の王道。安定的な上昇が期待できます。一方、プラチナは今回の中国の大量購入のような事象で価格が急騰しやすい。安い時期に買っておけば、突然の急騰で“思わぬ利益”が期待できます。なので、これから金を買うなら、一部をプラチナに振り向けるといいでしょう」(池永さん)
なお、プラチナへ投資するなら、プラチナ価格に連動するETF『純プラチナ上場信託(愛称:プラチナの果実、1541)』を検討したい。1口から買えて、NISA成長投資枠なら利益への税金がゼロだ。