「金(ゴールド)」価格は急騰が続き、史上最高値を度々更新して話題を集めている。一方、置き去りにされていたのが「プラチナ」。かつては金より高額だったが、金価格が急騰した結果、10年ほど前に逆転して価格差は広がっていた。しかし、ここへ来てそんなプラチナが注目を集めている。今回は、その背景を解説するとともに、プラチナ投資をするにあたって知っておきたいことを紹介!(鈴木豪、ダイヤモンド・ザイ編集部)
「ダイヤモンド・ザイ」2025年11月号の「ZAiニュースチャンネル Topic1 プラチナのハナシ!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。
金より希少価値が高いのに価格は金より安い!
急騰し始めたプラチナ価格はどこまで上がるのか?
「金」価格の上昇トレンドは勢いを増すばかり。その陰で、プラチナの価格も今夏から急騰し、上昇基調を強めている。市場では「次に買うなら金よりプラチナか?」といった声も出始めており、個人投資家としては判断に迷うところだ。
結論からいえば、貴金属のプロである日本貴金属マーケット協会の池水雄一さんは「金もプラチナも“買い”」と判断している。
その理由は後述するが、そもそもクレジットカードの「ゴールドカード」の格上として「プラチナカード」があるように、プラチナはかつて金より高価だった。ところが、プラチナと金の価格は約10年前に逆転し、価格差は広がるばかりだったのだ。
ここまでプラチナが伸び悩んできたのにはワケがある。特に大きな要因は、プラチナの最大の用途だった排ガス浄化用の触媒の需要が、ディーゼル車の減少やEVの台頭で減ると観測されたことだ。一方で、金は地政学リスクの高まりなどから大いに買われた。
「ただ、近年の価格差は過去に見たことないレベルに拡大しています。それが修正に動き始めたのでしょう。歴史的に金価格が高騰した局面では、次にプラチナが脚光を浴びる傾向もあります」(池水さん)