「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」――そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。発売以来、個人投資家の間で評判となり、多くの読者から高評価が寄せられています。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超を運用した経験を持つ楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から本書のポイントをお伝えします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

チャートで第一に注目すべきポイント
チャートの読み方を解説する情報の中には、「チャートのパターン10選」「初心者必見の20の型」など、複雑なパターンをいくつも紹介するコンテンツがたくさんあります。
しかし、『株トレ』の中で窪田さんが伝えているのは、驚くほどシンプルな考え方です。
それは、「売買高の変化」に注目することです。
色々なチャートのパターンを覚えるよりも、この1点に注目することの方が、はるかに重要であると語っています。
例えば、次のA社株のチャートを見てみましょう。

これまで値動きも売買高も乏しかったA社株ですが、数日前に株価と売買高が同時に跳ね上がったことがわかります。
つまり、投資家たちが好材料を背景に、買いに動き始めたのです
急騰の初動をとらえよ!
窪田さんは「チャートを読むとは、株価の動きから自分の知らない情報を読み取ること」だと、本書の中で語っています。
A社株のように、突然、買いが集中するということは、市場がその株をこれまで以上に高く評価し始めた証拠です。上昇トレンドが始まった可能性が高いと言えるのです。
たとえその時点で、好材料が何かわからなくても、投資家たちの動きに変化が起きていることに気づく。それがチャートを読む力なのです。
トレンドの変わり目を狙え!
相場は大きく分けると、「ボックス相場」と「トレンド相場」に分類されます。
窪田さんが狙うべきだと強調しているのは、一定の価格帯を上下するボックス相場ではなく、明確なトレンドが生まれた瞬間です。
ボックス相場では、「買い」と「売り」の勢いが拮抗し、株価がどちらに動くかは運次第になりがちです。
一方でトレンド相場は、「買い」か「売り」のどちらかに勢いが大きく傾いた状態です。この流れにいち早く乗ることで、勝率は高まり、大きな利益も狙えるのです。