「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」――そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。発売以来、個人投資家の間で評判となり、多くの読者から高評価が寄せられています。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超を運用した経験を持つ楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から本書のポイントをお伝えします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株で稼げるようになった人に共通する考え方「1つの特徴」Photo: Adobe Stock

「恐怖を感じない金額」で投資する

 窪田さんがトレード初心者にとって最も大切だと強調するのが、「恐怖を感じない金額で投資すること」です。

 これは単に投資額を小さくすればよい、という話ではありません。含み損や含み益が出ても、冷静さを失わない金額で取引するという意味です。

 売買判断を狂わせる最大の敵は、「恐怖」や「欲望」といった感情。恐怖を感じる金額で投資していると、損切りを遅らせたり、買いをためらったりと、非合理的な判断につながります。

 例えば100万円を投資して10万円の損が出たとき、動揺して冷静さを失うなら、その人にとって100万円は「恐怖を感じる金額」です。

 一方で10万円を投資して1万円の損が出ても、迷わず損切りできるなら、それが「恐怖を感じない金額」なのです。

 この金額は人によって異なります。だからこそ、自分が感情に振り回されない投資額を見極め、その範囲で経験を積むことが大切です。

鉄則に従って、経験を積み重ねる

「損切りは早く、利確は遅く」。窪田さんはこれこそが株で勝つための鉄則だと語ります。

「そんなの当たり前だ」と思う人もいるかもしれませんが、「お金を失いたくない」という恐怖心が強ければ、実践するのは容易ではありません。

 恐怖を感じない金額で取引していれば、この鉄則を冷静に実行しやすくなります。

 投資は知識だけでは身につきません。窪田さんは、実際にチャートを見てトレードを繰り返すことこそ、最大の学習だと強調します。

 勝っても負けても冷静なトレードを積み重ねることで、感情に流されない投資スキルが磨かれていきます。

『株トレ』は、チャートを使った投資判断をクイズ形式でシミュレーションできる一冊です。初心者から経験者まで、自分の投資スタイルを見直すヒントが詰まっています。