
在宅介護が限界に近づいたときに子どもが考えるのが、親を老人ホームに入居させること。そんな時、施設の場所にこだわる人が多いが、専門家によれば「場所よりも重要なポイントがある」のだとか。老人施設に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏が監修の下、上大岡トメさんのリアル体験マンガでわかりやすく解説する。※本稿は、上大岡トメ著、畠中雅子監修『マンガで解決 老人ホームは親不孝?』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。
施設の場所は
どう選んだらいい?
「施設選びでゆずれない条件は?」と聞くと、必ず出てくるのが「場所」です。ほとんどの人は「親の地元」か「子どもが通いやすい場所」かで迷うのですが、私はどちらも重要ではないと思います。
住み慣れた場所がいいと言っても、介護度が進むと1人で外出することはほとんどありませんし、友人も高齢で訪ねてくることも少ないでしょう。では、子どもの通いやすさで決めていいかというと、それも違うと思います。入居したのですから、在宅介護のように頻繁に訪ねる必要もないでしょう。
いちばん重要なのは何かというと、施設そのもののよさです。介護度や体調に合わせたサービスが受けられ、室内の住み心地がよく、食事の満足度も高い、そんな施設かどうかという視点で選んでほしいのです。けれど多くの人は、施設を「予算と場所」で決めてしまいます。
たいていの場合は緊急で施設探しをするのでその2つ以外は「しかたない」と譲歩します。でも、施設は人間が24時間暮らす場所なのです。予算はやむを得ないとしても、場所がそこまで大切だとは思えません。