要介護度が重ければ入りやすくなった特別養護老人ホーム(特養)だが、虐待が発生しやすいなどの問題があるのも事実。特集『最適な介護施設選び&老人ホームランキング』(全21回)の♯9では、特養の選び方のポイントを解説する。(公益財団法人Uビジョン研究所理事長 本間郁子)
特養は入居条件が要介護度3以上になって
長く待たなくても入れるようになった
2015年に特養の入居対象者が、それまでの要介護1以上から、原則要介護3以上に引き上げられてから、入居者の状況は大きく変わりました。
入居者の約90%に認知症の症状があり、年にもよりますが、定員の30%が退去されています。平均の滞在期間も13年は3年8カ月でしたが、19年には3年2カ月にまで短縮されました。
そのため、長く待たなくても入居できる施設が増えてきました。施設によっては、すぐに入居できます。
だから、一昔前のように、空きがあればラッキー、特養ならどこも同じだろうという思い込みで、すぐに入居を決めてしまうのは間違いです。100人の定員で年間に30人が退去する時代。自分の意向に合った施設をじっくり選びましょう。
では、どんなところに注意したらよいのか、次ページで詳しく説明します。