中国は世界をリードする人工知能(AI)技術の開発に向けて競争を繰り広げている。その道を切り開くのは杭州だ。20年以上前、馬雲(ジャック・マー)氏はここ杭州の小さな集合住宅から電子商取引大手アリババグループを立ち上げ、風光明媚(めいび)な都市だった故郷がハイテク中心地へと変貌を遂げるきっかけを作った。杭州は現在、中国の世界的なテクノロジー戦略の中心にあるAIのハブ(拠点)となっている。転機となったのは今年1月、地元企業のディープシーク(深度求索)が米国のプログラムに匹敵するAIモデルをはるかに低いコストで開発し、世界を驚かせたことだった。