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借金に暴言……。世間ではヒールの印象も強い霜降り明星・粗品。だが、12月13日放送の「THE W」における彼の辛口審査コメントは「部下指導に悩む管理職」への“生きた教材”となるだろう。なぜなら粗品の講評は「厳しいのに相手が納得する」という“現代マネジメントの難題”をクリアしているからだ。ハラスメントを恐れて踏み込めない「いい人止まり」の上司が多い中、なぜ辛口講評でも若手芸人や観客の心をつかめるのか? その裏にある「4つのフィードバック技術」を解き明かす。(ライター 徳重龍徳)
“審査員・粗品”への
期待度が高いワケ
12月13日(土)に放送される「女芸人No.1決定戦 THE W 2025」決勝。この大会の優勝のゆくえ以上にお笑いファンの間で熱い視線が注がれているトピックがある。
それは今回、審査員に「霜降り明星」の粗品が初就任したことだ。11月29日に粗品が初審査員を務めることが発表されると、SNSでも「粗品の審査員楽しみやな」「粗品は全賞レースの審査員やるべき」など期待する声が上がった。
なぜ、これほどまで“審査員・粗品”への期待度が高いのだろうか。粗品は今年3月に開催された関西の若手芸人が出場する「第14回ytv漫才新人賞決定戦」(読売テレビ)にてお笑い賞レースの初審査員を務めたのだが、この審査姿勢への評価が非常に高いからだ。
お笑い賞レースでは近年、90点以上をつける審査員が大半の中、粗品は80点台、70点台と低い点数をつけることも厭わなかった。また点差も他の審査員たちが5点以内にとどめる中で、粗品は9点差をつけ、はっきりと評価した。
女芸人No.1決定戦「THE W」 で粗品と並ぶ豪華審査員&ファイナル出場芸人の一覧
また「“尿路結石”って最初に言ったときに高松くんが顔を動かすだけでツッコんだんですよ、喋らずに。だから高松くんは上手やと思います」(お笑いコンビ「ぐろう」への講評)など、同じ競技漫才をやってきたプロにしか言えない、所作一つひとつについての細やかな部分も指摘。審査を受ける漫才コンビも納得の表情を浮かべていた。
番組後のXのトレンドには「粗品の審査」が入り、優勝したフースーヤの谷口理は大会後に粗品と共演したYouTubeで「目立ち過ぎてるわ。優勝、せっかく俺らしたのに」と冗談交じりに発言するほどだった。
辛口だが、納得感のある粗品の審査コメントはお笑い界隈のみならず、部下や後輩などにフィードバックすることが多いビジネスパーソンにとっても示唆に富むものだった。「粗品の審査」に散りばめられた、職場のフィードバックで使える「4つの技術」を紹介したい。







