強さだけではなく、理不尽な中でも平気でやっていける、ある種の「鈍感力」も必要。ケンカに勝つことだけが正解ではない時代(写真はイメージです) Photo:PIXTA
勉強ができて、いい大学に入り、いい会社に就職する――。そうではない「本当の学力」とは、自分で考え、問題解決をし、新しい道を切り開いていく総合的な人間力、つまり「メシが食える力」であると長年教育に取り組んできた高濱正伸さんはいいます。高濱さんの著書『AI時代を生き抜く人間力!伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)から、どんなに時代が変化しても、軽やかに対応できる心の柔軟性や、本当の意味で、生き抜く強さを育てるヒントを紹介します。
学校では教えてくれない「人間力=また会いたい人」の育て方
これからは「人間力」が必要な時代といわれます。では、人間力って何でしょう。人間力を言い換えれば、「人としての魅力」であり、「また会いたい人」かどうかです。
「また会いたい」と思われること――これは、LINEヤフー株式会社上級執行役員 生成AI統括本部長の宮澤弦さんが、私との対談で教育について尋ねたときに言った言葉で、その真意はこうです。
「また会いたい人」には2種類あります。それは「面白い人」か「温かい人」か、ということ。この2つは、人間としての強力な武器になります。
「面白い人」とは、テストができるというような処理能力による頭のよさではなく、イメージ力にあふれた本当の頭のよさがある人。私はこれを、もっとわかりやすく「笑いを取れる人」と解釈しました。
私も常日頃から、笑いを取れる子は最強、と思っていました。花まる学習会には「たこマン」という教材があります。これは、1コマ目を見てオチを考え出すという、ゲーム感覚で発想力を養う教材です。何を答えても自由ですが、とにかく笑わせなければなりません。







