「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

優秀に見えても、決定的に欠けているもの
初対面や会議中のやりとりだけでは、人の「本当の仕事力」を見抜くのは難しいと思われがちです。
たしかに、外見や雰囲気、話し方がスマートであれば「できそうな人」に見えることもあります。
しかし、ある一点を見るだけで「この人は仕事ができない」と即断できる方法があります。
ベスト1:「話の中に数字がない」
最も簡単かつ的確な見抜き方は、「話の中に数字が出てこないかどうか」です。
「先月より売上は少し落ちましたが、全体としては好調です」といった曖昧な表現しかできない人は、ほぼ間違いなく、定量的な管理や把握ができていません。
逆に仕事ができる人は、「前年比108%」「直近3ヶ月の平均値と比較してマイナス5.3%」といった具体的な数値を交えて話します。
これは、自分の仕事を常に「数値」で捉える習慣が身についている証拠です。
数字を使わない人に起こる弊害
数字を使わない人は、物事を主観や感覚で捉える傾向が強く、成果も曖昧になります。
その結果、改善のための打ち手も場当たり的で、チームに再現性のある成果をもたらすことができません。
そして厄介なのは、本人が「うまくやっているつもり」になってしまうことです。
定量的な視点がないために、自身の立ち位置や実力を正確に把握できないのです。
リーダーは「数字で話す」人を見抜けるか
この見抜き方は、採用や昇進判断の場面でも有効です。
「この3年でどんな成果を出しましたか?」という質問に、数字で答えられない人は、注意が必要です。
数字で語る力は、業界や職種を問わず、普遍的な能力です。
数字のない会話は、責任を曖昧にし、行動の精度を下げます。
だからこそ、感覚ではなく、仮面をかぶって冷静に判断しましょう。
リーダーは「数字で語る人」を見抜ける人でなければなりません。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。