「自分らしさ」を抱えて生きるバカに教えてあげたいこと・ベスト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「自分らしさ」を抱えて生きるバカに教えてあげたいこと・ベスト1Photo: Adobe Stock

「自分」とは環境との共同作品である

 私たちはしばしば「自分の努力だけで今の自分がある」と考えがちです。

 しかし、実際には人は環境から大きな影響を受けて形成されます。
「自分」という存在は、個人の意思と環境が共同でつくり上げた作品なのです。

 この視点を持つことで、より柔軟に自分を成長させることができます

環境が行動を決める

 人間の行動は、意思よりも環境に左右される部分が大きいと心理学でも指摘されています。

 例えば、周囲の人が毎朝ランニングする環境にいれば、自分も自然と走るようになります。

 逆に、夜更かしや浪費が当たり前の環境にいれば、どれだけ意志が強くても流されてしまうのです。

「自分らしさ」は固定されない

「自分らしさ」を強く意識するあまり、変化を拒んでしまう人がいます。

 しかし、自分は環境によって形づくられる存在であり、固定的ではありません

 つまり、「自分らしさ」とは、絶対的なものではなく、常に環境との相互作用のなかで変化していくものだと理解する必要があります。

「自分らしさ」にとらわれている人は、バカな考えだということです。

環境をデザインする

 だからこそ、自分を変えたいと思うなら、環境を変えることが効果的です。

 学びたい分野に関わる人々と交流する、新しい場所に身を置く、習慣を支える仕組みをつくる。

 これらは意志の力に頼るよりも確実に自分を変える方法です。
 自分を律するストイックさと、環境を受け入れ活用する柔軟さが両立すると、成長は持続的になります。

「自分」とは、努力だけで成り立つのではなく、環境との共同作品です。

 この視点を持てば、環境をうまくデザインすることで自分を変えられると理解できます。
 意志の力に固執せず、環境を味方につけて小さな積み重ねを続ける

 これが「ゆるストイック」の実践です。私たちもまた、環境を活かしながら、ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。