頭の悪い人は「ずっと被害者」として生きている。じゃあ頭のいい人はどうするのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

頭の悪い人は「ずっと被害者」として生きている。じゃあ頭のいい人は?Photo: Adobe Stock

被害者意識という罠にどう対処するか

「自分は不当に扱われている」「環境のせいで成果が出ない」といった被害者意識は、多くの人が陥りやすい心理です。

 確かに理不尽な出来事は存在しますが、過度な被害者意識にとらわれると行動力が奪われ、停滞を招きます

 本記事では、その罠にどう対処すべきかを整理します

被害者意識が生まれる背景

 人は本来、「世界は公正である」と信じたい傾向があります

 そのため、努力してもうまくいかないと「不公平だ」と感じやすいのです。

 また、他人の成功が見えやすいSNS時代では、比較によって不遇感が強まりやすくなっています

 こうして被害者意識は、以前よりも拡大しやすい環境にあります。

被害者意識がもたらす悪循環

 被害者意識は一時的に自尊心を守る役割を果たしますが、長期的には悪循環を生みます。

「環境が悪いから仕方ない」と考えると、自分の行動を変える動機を失います

 その結果、本当に改善できる部分にすら手をつけられず、停滞が続いてしまうのです。

対処法:認めつつ距離をとる

 被害者意識を完全に消し去ることは現実的ではありません。

 重要なのは、それを認めつつ距離をとることです

「確かに環境は不公平だが、自分ができる範囲で改善できることは何か」と問い直す。
 こうした姿勢が、再び行動力を取り戻す第一歩になります。

 被害者意識は誰にでも芽生える自然な感情ですが、それに支配されると停滞を招きます。
 理不尽さを嘆くのではなく、自分の影響範囲に集中し、小さな行動を積み重ねることが重要です。

 自分にできることを淡々と続ける。これが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、被害者意識の罠を越え、ゆるストイックに生きましょう

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。