起こるべくして起こった失敗
では、どうすればこの失敗を防ぐことができたのでしょうか。
実はチャートをよく見ると、2005年ぐらいからずっと円安基調だったんですね。ローソク足がどんどん右に上がってくる上昇トレンドだったわけです。上昇トレンドのときは、今回の本にも書いてありますけど、ローソク足の下の部分、安値を結んでいくんでトレンドラインというラインを引きます。一本ラインを引くだけで、私がどうしてビギナーズラックで400万円以上も稼げたかというのが一目瞭然ですよね。上昇トレンドの一番いい押し目のところでスタートしたからです。
これはたまたま偶然で、スタートした時期がよかったのです。だから全然勉強もしないで取引をしててもお金が増えたんです。
一方、損したときはどういう状況だったかというと、ローソク足が、このトレンドラインを下に抜けてますよね。それまでずっと機能していたトレンドラインを下に抜けてしまっていて、逃げなきゃいけないところです。しかし、全然そんなことも知らず、週足のローソクなんか見たこともありませんでしたから、下がっていく途中でどんどんどんどん買い増ししてしまったんですね。
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もうひとつ、もっと長いスパンでのチャート図ですが、この一番下にあるのがRCIという、私がおすすめしているテクニカルツールです。3本を一緒に表示するのが私独自のやり方で、一番ゆったり動いている緑のラインが長期のRCIです。一番下のよく上下している青のラインが短期のRCIです。その中間の赤のラインが中期のRCIです。
で、私が損したときに、RCIがどういう状況になっていたかというと、3本とも下向きなんです。3本とも下向きということは、短期的にも下げ、中期的にも下げ、長期的にも下げということですから、この3本がそろって下を向いているときは強い下げを示しているんです。逆に3本そろって上向きになっているときっていうのは、非常に強い上昇を示唆しています。当時は、RCIの存在も全然知りませんでした。
ちゃんと勉強してきたいま、こうやって振り返ってみると、起こるべくして起きた失敗というか、本当に無知のために大きなおカネを失ってしまったなという感じがします。