私がFXを選んだわけ
投資といっても、不動産投資から株式投資、商品先物、いろいろあります。その中でなぜFXにしたのかというと、もうこれは消去法です。
まず不動産投資をするほどのおカネはありませんでしたし、株式投資は銘柄がすごく多くて指標の見方もよくわからないからなんか難しそう。投資信託や外貨預金は手数料が高いしな、という感じでした。そして残ったのがFXだったのです。FXに対してほとんど知識がなく、知らないからできたということもあるのかもしれません。
ただ、FXは株のように膨大な銘柄があるわけでもなく、メジャーな通貨は片手で数えるぐらいしかないので「なんかできそうだな」という感覚はありました。また、株は倒産リスクがありますが、主要通貨が消えてしまうということは考えにくく、それでFXをやることにしたのです。
FXに何を期待したかというと、これはもう経済的不安の解消、経済的な自立です。最初から「月100万円儲けるぞ」とか「目指せ1億円」とか、そんなことは全然思っていませんでした。サラリーマンのお給料ぐらい稼げたら一応経済的に自立しているって言えるんじゃないかなと思って、まずはそのレベルを目指して始めました。そんな感じでFXの世界に入っていったわけです。
増えてびっくり! 減って愕然!
私が始めたのは2006年2月です。このとき、どういうやり方をしていたかというと、取引する通貨ペアは「米ドル/円」「英ポンド/円」「ニュージーランドドル/円」「オーストラリアドル/円」のロング(円を売って反対通貨を買うこと)です。そして、損切りの注文(ストップ)はいっさい入れていませんでした。
どうなったかというと、600万円で私はスタートしたのですが、2カ月目に820万円、3カ月目に973万円まで増えたんです。もうびっくりです!
「投資ってこんなに簡単に稼げるんだ」「もう私の人生安泰じゃん」ぐらいの感じで、おカネの増えるスピードに本当にびっくりしました。ずっとチャートにはりついてやっていたわけではなくて、1日に2時間とか3時間ぐらい、子どもが寝てからちょっとやってこれだけ増えたのです。
しかし、口座の残高が1070万円まで増えたとき、ちょっと円高になり始めました。円高になると米ドルや英ポンドなど外貨が安く買えるので、「早く買わなくちゃ」という感じで、バーゲン会場に行った主婦みたいにどんどん買っていきました。円高がさらに進んでも(買った外貨の評価は下がり含み損の状態)、また「買わなきゃ」という感じで、気がついたらすごい量のロング・ポジションになってしまっていたんです。
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あんなに簡単に利益が増えていたのに、今度は毎日含み損が増えていく状況になりました。「なんだかおかしい。いままでとちょっと違う」と気がついたときには、もうかなりの含み損になっていて、もう寝れないんです。口座の画面を開くと、ものすごいマイナスがバーッて並んでいて、しかも毎日増えていくんです。「この損って一体どこまで行っちゃうんだろう」「もしかしたら口座に入っているおカネが全部なくなっちゃうんじゃないだろうか」とすごい恐怖に襲われました。
そして、なんとか思い切って損切りをしました。図のここです。あまりにも金額が大きかったので、一度にスパッと切ることはできず、何日かかけて少しずつ切っていったんですが、結局全部のポジションを手仕舞ったときには、530万円ぐらいの損が確定しました。