北極圏に近いこの地で、夏の太陽で氷が溶けてから数週間がたち、今の気温は10度とさわやかだ。この時期は北極圏で戦争を戦うには最悪の時期だ。北極圏で恐れられているのは、しもやけや雪目などの危険がある、寒さの厳しい冬だ。しかしこの地域で活動する兵士によれば、それより厄介なのは暖かい季節だという。蚊などの虫が湿地に群がり、その湿地は一晩で水浸しになって部隊の移動が妨げられ、車両が飲み込まれる恐れがある。西側の戦争計画担当者はロシアとの間で衝突が起きた場合、欧州北極圏が紛争地帯になる可能性があるとみている。欧米の軍隊は北極の冬の気象条件で訓練するため兵士を派遣しているが、スウェーデン軍が他国の軍隊に伝えたいのは、この地域ではおそらく暖かい時期のほうが厳しいということだ。2021年以降、スウェーデン軍は北大西洋条約機構(NATO)加盟国を北極で一年を通して戦えるようにするため秋季戦争課程を開設している。
北極圏の軍事訓練、怖いのは「暖かい」季節
北欧の兵士によると、湿地や虫、生い茂った枝葉のせいで現地はジャングルのようになるという
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