米小売業が関税回避で在庫増、ホリデー商戦が試金石Photo:Bloomberg/gettyimages

 米国の小売業者は大量の商品を抱えている。問題は、ホリデー商戦で売れるかどうかだ。

 高級衣料大手ラルフローレンからジーンズ大手リーバイ・ストラウス(リーバイス)、カジュアル衣料大手アメリカン・イーグル・アウトフィッターズまで、米国の小売業者は在庫を積み増した。関税引き上げの発動前に商品を調達するのが狙いだった。重要なホリデー商戦を控え、インフレを警戒した消費者が支出を控えたり、価格が上がっているため購入数を減らしたりするリスクがある。これは一部の小売業者にとって、余剰在庫をさばくための大幅値引きを意味する可能性があり、そうなれば利益率が圧迫される。

 企業の7-9月期決算が出始める中、売上高の伸びを上回るペースでの在庫増という形で問題が表面化していないか、アナリストは注視している。一部ではすでにこれが起きている。カナダのスポーツウエアメーカー大手ルルレモン・アスレティカの8月3日までの四半期在庫は前年同期比21%増加した。同社は9月、これは主に関税引き上げと為替の影響だと説明していた。数量ベースでは約13%増だった。同社は翌四半期の売上高が3~4%増になるとの見通しを示した。

 ラルフローレンは、6月28日までの四半期の正味在庫が前年同期比18%増加した。ジャスティン・ピチッチ最高財務責任者(CFO)はこれが高水準だと述べた。同四半期の売上高は14%増だった。為替の影響と関税コスト回避のための輸入前倒しを除くと、在庫は約7%増だったという。正味在庫に占める関税関連の割合は約6ポイントだった。