米国は電気自動車(EV)の普及を推進する野心的な目標を後退させており、今やその動きは世界に広がっている。カナダのマーク・カーニー首相は2026年に実施予定だったEV販売義務化を延期した。英国のキア・スターマー首相はEV販売義務を緩和し、より柔軟な目標を達成できるようにした。欧州連合(EU)は先月、2035年に全新車を二酸化炭素排出ゼロの車両に切り替える目標を見直すことにした。自動車メーカーの要請を受け、見直し時期を前倒しした。「『変革が思うように進んでいない』との共通認識がある」。コンサルティング会社マッキンゼーのパートナー、パトリック・シャウフス氏はこう指摘した。「EVはスマートフォンとは違う」