社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。
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「弱み」には対処すべきものと、諦めるべきものがある
自分の「弱み」については、何らかの対処をすべきなのでしょうか?
私は、弱みには「対処したほうがいい弱み」と「気持ちよく諦めたほうがいい弱み」の2種類があると考えています。今回は「対処したほうがいい弱み」についてお話します。
対処したほうがいい弱みは、「強みの暴走」です。本来は強みのはずが、状況や環境に不適切なほど激しく発動し、よくない状況をもたらしている場合を指します。
例えば、「問題点を見つけて解決する」ことが強みの人が、些細な問題点にまで目が行き過ぎて、解決しなくても影響のない問題にまで時間を使ってしまうと「細かすぎる」という弱みとなり、肝心な部分が前に進まなくなってしまいます。
このような場合、強みの使い方を工夫すれば改善できます。問題解決力という強みはそのまま「本当に解決が必要な問題か」を見極める基準を持てばよいのです。
他にも例を挙げると、「人の役に立ちたい」という強みが暴走して、自己犠牲的になりすぎて、最終的に燃え尽きてしまうような場合。
この場合の対処法は、「自分が健康でないと人の役に立てない」という認識を持ち、「今週すでに3つの依頼を受けているから、これ以上は断る」といった基準を設けるなど、強みを持続可能な形で発揮できるようにするのです。つまり、対処したほうがいい「弱み」には次のようなものがあります。
対処したほうがいい「弱み」の例
①「強み」と表裏一体の関係である
弱みが自分の持つ強みと表裏一体の関係にある場合。例えば「細部への気配り」という強みが行き過ぎて「完璧主義」になっている場合など。
②好きなことのはずなのに燃え尽きる
本来は楽しいはずの活動が、やり方の問題で疲弊してしまう場合。例えば「創作が好き」なのに、毎日何時間も無理に続けて燃え尽きてしまうなど。
③周囲から指摘されてもやめられない
「○○しすぎだよ」「もう少し○○を考えたら?」など、特定のパターンについて周囲から繰り返し指摘があり、自分でも頭ではわかっていてもやめられない状態。
④結果が伴わない
一生懸命やっているのに成果が出ない場合。強みを発揮しているつもりでも、やり方を誤っている可能性がある。
次回は、「気持ちよく諦めたほうがいい弱み」について解説いたします。
*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。




