社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

「自分の強み」は自己分析だけではわからない。その理由にハッとした。Photo: Adobe Stock

「強み」とは「無意識」に発動し、良い結果をもたらすもの

 本書では自分自身を観察するときの4つのチェックポイントを挙げていますが、その4つ目が「他者からのフィードバック」です。

 他者から、自分に関して何らかのフィードバックがあったら、それも記録してください。

 強みは無意識に発動するため、自分よりも他人のほうが気づきやすいものです。

 もし他者から言われたことが的外れだと感じたら、的外れだという感情と合わせて記録しておきます。たとえ的外れであっても、相手にそう思わせる何かを自分が発していたということなので、それもヒントになるのです。

 他者からのフィードバックで特に重要なものは、下記の3点です。

・「たいしたことをしていない」のに感謝される
・「普通のことをしただけ」なのに褒められる
・「誰でもできること」と思っているのに、周りから頼られる

 自分ではたいしたことではないと感じるのに、相手から喜ばれるということは、そこに自分の強みがあるということです。

 これは第3章で説明した「無意識に発動して、良い結果をもたらす思考や行動のパターン」という強みの定義そのものです。

 また、信頼できる人にフィードバックをもらう機会を作ることができるなら、次のような質問をしてみるのもいいでしょう。

・私のどんなところを評価してくれているのですか?
・私のどんな行動が役に立っていますか?
・私のどんなところが他の人と違いますか?

 こうした質問を通じて、自分では気づかなかった強みの種を発見できることがあります。

*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。