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クマ被害には国を挙げての対策が急務ではなかろうか。クマによる農作物被害額は約7.47億円(2023年度)で、前年度の約1.8倍に増えた。中でも秋田県は1.66億円超で過去最悪。秋田県知事は自衛隊派遣を小泉進次郎防衛大臣に要望する見込みだ。農業だけでなく、小売店やサービス業、物流などのインフラにも混乱を引き起こしている。もはや地方だけが負担できる問題ではない。国民の生命が脅かされているのだから、高市早苗首相には「強いクマ対策」を実行してほしい。(未来調達研究所 坂口孝則)
クマ出没のニュースが多発
テレビ生放送中にも差し替え
「次またクマのネタが入ります!」
筆者は情報番組のコメンテーターとしてテレビ出演しているのだが、最近は番組の途中で「クマに人が襲われたニュースを差し込みます」という生放送ならではの緊急対応を目にするようになった。今では毎日、クマのニュースが日本列島を駆け巡っている。
この原稿だってそうだ。まさか「クマ被害と地方経済」をテーマに書く日が来るとは思わなかった。しかし、考えれば考えるほどクマの出没は、日本経済にダメージを与えつつある。
北海道や東北に住む人だけでなく、今や首都圏の人間も一大関心事となっている。スーパーで買い物をしていたらクマに襲われたなんてニュースを見聞きすれば、誰だって不安になる。秋の行楽で登山や紅葉狩りに行こうと思っていた人も、「ちょっと控えておこうかな……」などと思わざるを得ない状況だ。
クマによる地方経済へのダメージ
商業や労働活動、工場にも影響か
振り返れば7月、北海道で新聞配達中の男性がクマに襲われ死亡するというショッキングなニュースが出た。その後、クマ被害が報告された地域では、夜間から早朝の外出を控える、飲食店が営業を自粛するなどの措置が広がっているという。







