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部下をマネジメントする立場にある人が、「複数の部下たちを平等に扱わなければならない」という意識を持つのは大事なことだ。ただ、「誰に対しても平等」に接することは意識していても難しい。それを示す研究結果がある。(山田進太郎D&I財団COO 石倉秀明)
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全員を平等に扱うことは
想像以上に難しい
現在、筆者は山田進太郎D&I財団のCOOとして、STEM(科学・技術・工学・数学)分野のジェンダーギャップ解消に向けた活動をしている。その中で、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)やジェンダーギャップ解消について勉強することや、セミナーやイベントなどに登壇して男性向けにジェンダーギャップの話をする機会が多くある。
ジェンダーギャップの話をする時に出てくるのが、「男性は別に差別をしているつもりはない」「構造的な問題であって男性が悪いわけではない」という意見だ。これはもっともな意見であり、私も同じくそう思うのだが、一方で男性だからこそ気づく違和感も存在する。
少し視点を変えてみる。
仕事をしているとさまざまな場面で多くの人を平等に扱う必要性が出てくる。そしてその立場になった人は、「私は誰に対しても同じように接している」……そう考えていることがほとんどなのではないだろうか。
不公正なく全員を平等に扱うというのは仕事上、特に管理職の部下に対する態度としては必須である。
しかし、実態として私たちが全員を平等に扱うのは非常に難しいし、多くの場面で知らず知らずのうちにえこひいきをしてしまったりするものだ。今回は、私たちが陥りがちな贔屓をいくつかの研究結果から紹介していこうと思う。
「本当に男性は男女平等に接しているのだろうか?」
この疑問に対して、男性として自信を持ってYESと言える読者はどのくらいいるだろうか。私自身こういった仕事をしていることもあり相当気をつけているが、もしかしたら無意識に平等ではない言動をしているかもしれないといつも思っている。
もちろん「そんなことはない。私は完全に平等に接している」と言える男性もいるだろう。しかし、残念ながら周囲を見ていると、男性に接する時と女性に接する時でまるで態度が違う男性は少なくないし、無意識のうちにジェンダーステレオタイプに影響されて「女性はこう」と決めつけた発言をする男性も多くいる。







