Photo:Chance Yeh/gettyimages
米オープンAIは最近、人工知能(AI)分野での優位性をさらに高めるとされる半導体で満たされたデータセンターを建設するため、計数千億ドル規模の契約を締結した。しかし競合企業の一つで、米 アマゾン・ドット・コム が出資する米アンソロピックは、AIで持続可能なビジネスを構築するためのより明確な道筋を持っている。
アンソロピックとオープンAIの事業は似ている。両社ともチャットボットや画像生成ツール、その他多数のAIツールの基盤となる高度なAIモデルを開発している。
しかし、AIから収入を生み出す――願わくは利益も上げる――方法については、異なるアプローチを取っている。
オープンAIのモデルを マイクロソフト のソフトウエア製品に統合する両社の緊密な提携関係を除けば、オープンAIは主に大衆市場に対応している。同社のユーザーは主に検索エンジンの代わりに対話型AI「チャットGPT」と会話しており、これは非常に人気が高いことが分かっている。同社によると、チャットGPTの週間ユーザー数は今月時点で8億人を超えており、会社全体の売上高は年換算で約130億ドル(約2兆円)に達した。このうち約30%が企業からの収益だという。
アンソロピックの大衆市場での人気ははるかに低い。同社は売上高の約80%が法人顧客からのものだと述べている。先月、法人顧客数は約30万社だと発表した。
この法人重視の戦略により、アンソロピックは企業ユーザーの間でオープンAIを上回る存在となっている。同社の最先端言語モデル「クロード」は、コーディング能力で称賛されている。アンソロピックに投資しているメンロ・ベンチャーズが7月に発表した調査報告書では、コーディング分野でアンソロピックが42%の市場シェアを持つのに対し、オープンAIは21%と推定されている。また、アンソロピックは企業のAI利用全般の推定市場シェアでもオープンAIを上回っており、32%対25%となっている。








