この研究では、7件の文献データベースを用いたシステマティックレビューが行われた。それぞれのスタートから2025年4月までに収載された、運動習慣のない成人を対象としてエクササイズ・スナックによる介入を行ったランダム化比較試験の報告を検索し、11件の論文を適格と判断した。

5分以内の運動を1日2回以上かつ週3回以上

 なお、エクササイズ・スナックは、5分以内の運動を1日2回以上かつ週3回以上行い、2週間以上継続する計画的な運動と定義した。

 11件の研究はオーストラリア、カナダ、中国、英国で行われたもので、合計参加者数は414人、女性が69.1%だった。介入期間中、若年から中年の成人はエクササイズ・スナックとして階段昇降をすることが多く、高齢者は脚を中心とする筋力トレーニングや太極拳を行っていた。

 メタ解析の結果、エクササイズ・スナックは体力(成人の心肺機能や高齢者の筋持久力)を5~17%向上させることが示された。より詳しくは、成人の心肺機能については6件の研究があり、効果量(g)が1.37(95%信頼区間0.58~2.17)で有意な向上が認められ(P<0.005)、高齢者の筋持久力については4件の研究があり、g=0.40(同0.06~0.75)でやはり有意な向上が認められた(P=0.02)。

 この結果を基に研究者らは、「運動の総量が現行のガイドラインの推奨より大幅に少ない場合でも、短時間の高強度運動の積み重ねが、好ましい生理学的反応を誘発することが示唆された。心肺機能がわずかに改善するだけでも、死亡リスクの低下につながる」と述べている。

 さらに重要なこととして、介入の遵守率が91.1%と高く、また82.8%がその運動を継続していたことが挙げられ、これらのデータを根拠として研究者らは、「公衆衛生政策においてもエクササイズ・スナックを推奨すべきではないか」と付け加えている。(HealthDay News 2025年10月9日)

https://www.healthday.com/health-news/exercise-and-fitness/fun-sized-exercise-snacks-can-boost-fitness-review-says

Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.