優秀なリーダーには、あえてしないことがある。
優秀なマネージャーは、「少しだけ演技」する。あえて「演じること」を選べば、「部下に信頼される」「会社に評価される」「自分も疲れない」職場になる。そんなリーダーの実践的なふるまい方をまとめたのが、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』(本田淳也著)である。本稿では、同書の内容を一部抜粋して紹介する。
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リーダーには必ず「苦しい場面」が訪れる
2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が発出された翌日。
顧問先の経営者から電話がありました。
「本田さん、従業員にどう説明したらいいでしょうか。正直、この先どうなるかわからなくて……」
普段は明るく頼りがいのある方でしたが、声からは明らかな動揺が伝わってきました。
売上の激減、家賃や人件費の支払い、従業員を抱える責任
――すべてが一度に重くのしかかってきたのです。
危機のとき、部下から「この先どうなるんですか?」と聞かれる。
「自分もわからない」と正直に言うべきか、不安を隠して前向きな言葉をかけるべきか。
多くのリーダーがこのジレンマに直面しました。
「不安と戦う決意」を見せる
ここで重要なのは、不安を完全に隠そうとするのではなく、「不安と戦う決意」を部下に示すことです。
先ほどの経営者は、最終的にこんなふうに従業員に話しかけました。
「正直、この状況がいつまで続くかわからない。私も不安だ。でも、この店を守るために、みんなの雇用を守るために、できることは全部やる。一緒に乗り越えよう」
この言葉に、従業員の多くが「この人についていこう」と感じたそうです。
不安を隠すのではなく、不安と戦う意志を明確に示したからです。
「余裕のあるふるまい」を意識的に演じる
危機のときにこそ、リーダーの「演技力」が求められます。
本書でも繰り返しお伝えしている「少しだけ演じる」ことの実践でもあります。
部下の前では明るくふるまうこと。これは偽善ではありません。
部下を不安にさせないための大切な配慮です。
残業が続く中でも「みんな、お疲れさま! 今日はコンビニのスイーツ、おごるよ」と声をかける。
「最近、眠れてる?」「一人で抱え込まないで」と気にかける。
そんななにげない一言が、部下の心を支えます。
危機は必ず終わります。
そのとき部下が覚えているのは、「困難なときにリーダーがどんなふうに接してくれたか」です。
不安と戦う決意を持ち、明るさを意識的に演出することが、「この人となら乗り越えられる」と思ってもらえるリーダーの条件です。
(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)









