トランプ氏、アジア歴訪は「ゴールデン」な旅にPhoto:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

【慶州(韓国)】黄金の都市で黄金の王冠。金のネクタイを着けた外国首脳が提供する金色のデザート。「黄金時代」到来を宣言する人物への金のゴルフボール。ドナルド・トランプ米大統領にとってアジア全域を駆け巡った慌ただしい外交ツアーは、文字通り「ゴールデン(黄金色)」なものとなった。

 トランプ氏は6日間にわたりアジアを歴訪。予測不可能な同氏や米国との不安定な貿易関係に神経をとがらせるアジアの同盟国は、同氏の好意を勝ち取る一獲千金のチャンスに手を伸ばした。同氏にとって2期目就任後初のアジア歴訪に合わせ、各国は金メッキの贈り物から金色の食べ物までさまざまなものを準備した。

 トランプ氏は数十年にわたり金を自らのブランドの重要な一部としてきた。同氏にとってこの輝きは、米国がかつてないほど強力であるとする政治的イメージを示すものでもある。中国の脅威にさらされている世界の一角の指導者たちに対しては、特にその意味合いも強い。

 トランプ氏はマレーシアのクアラルンプールで東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の首脳に対し、「われわれは今、これまでで最高の状況にある」とし、「これは米国の黄金時代と言える」と述べた。

 トランプ氏が金に親しみを感じていることは明白で、同氏はこれをビジネスでの成功の象徴としてきた。そして現在は、政治的な力の象徴と見なしている。

 同氏は大統領執務室を床から天井まで金で飾ってきた。また企業が有能な外国人を米国で働かせ続けるために購入するビザは「ゴールドカード」と呼ばれている。さらに海軍が「ゴールデン艦隊」と呼ぶ新たな軍艦クラスを導入することも推進している。