「記録」こそが博打を投資に変える
シゲルさんの手帳は、単なる売買の備忘録ではありません。それは、彼の投資人生そのものであり、勝率を高めるための「反省録」でもあったのです。
私たち個人投資家は、日々の株価の変動やニュースに一喜一憂しがちです。「なんとなく上がりそう」で買い、「怖くなった」で売ってしまう。これでは、シゲルさんの言う「博打」と何ら変わりありません。
シゲルさんが「負けに不思議の負けなし」を実践するために使っているのが、この手帳です。なぜ負けたのか、その理由を突き詰めなければ、投資家として成長することはできません。
反省が導く「自分だけの勝ち筋」
「なぜあの時、あの銘柄を買ったのか?」
「損切りが遅れた理由は何か?」
「利益確定を急ぎすぎた背景にある心理は?」
手帳(あるいはデジタルの記録)に書き出すことで、自分の投資行動を客観的に見つめ直すことができます。すると、不思議と自分の「クセ」や「弱点」が見えてきます。「高値掴みしやすい」「特定のニュースに飛びつきがち」といった傾向です。
この弱点を一つずつ修正し、逆にうまくいった取引(勝ち)の根拠を分析することで、再現性のある「自分だけの勝ち筋」が磨かれていくのです。
未来の利益のための「投資ノート」
シゲルさんのように手書きでなくても構いません。エクセルでも、投資アプリのメモ機能でも良いのです。大切なのは、売買した「事実」だけでなく、その時の「理由」や「感情」も一緒に記録することです。
その記録の蓄積こそが、シゲルさんの言う「宝物」となります。それは、他の誰にも真似できない、あなた自身の弱点と勝ちパターンが詰まった、未来の利益を生み出す最強の戦略書となっていくでしょう。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











