「ほんまにサラリーマンか?」四半期決算を知らずに赤っ恥かいた話
投資歴70年 資産24億円――【プロの儲かる知識を簡単インストール】人生、もう詰んだ……40歳、しがないサラリーマン。月1万5000円の小遣いを握りしめ、毎日通勤する日々だ。増えない給料、重くのしかかる住宅ローンと教育費。冷え切った家庭に、もはや自分の居場所はない。そんな人生のどん底の状況で拾った、1冊の古びた手帳。それが投資歴70年、資産24億円を築いた89歳現役トレーダー・シゲルさんとの奇跡的な出会いだった。お金、仕事、家庭……すべてに絶望した崖っぷちの男が“投資の神様”から授かった「世界一のお金と人生の授業」とは?“小説形式”だからスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。答えはすべて、この物語にある。
写真:川瀬典子
君、ほんまにサラリーマンか?
「らちがあかんから、日経平均の話に戻すで。今日はな、日経平均が前日より300円くらい高くなりそうな気配なんや。つまり、全体的に株価が上がる流れやな」
「えっ、なんで日経平均が上がるんですか?」
「そら、理由はいろいろあるわ。たとえば米国株が上がったとか、為替が円安に動いたとか、企業の決算がよかったとか、雇用統計が良好やったとか……。今日に限って言えば、日経平均に入ってる企業の決算が良好やったんがいちばん大きいと思うで」
「でも、決算って3月じゃないんですか? いま10月末ですよ?」
「……君、ほんまにサラリーマンか?」
経済オンチへの痛烈な指摘
シゲルさんの目が細くなる。じわりとした沈黙のあと、肩をすくめながら口を開いた。
「ちょっとは経済のこと、会社のこと、勉強したほうがええわ。仕事も、あんまりできへんのとちゃうか」
ひ、ひどい……。
そうは思いつつも、僕の口から出たのは「その通りです……」という情けないひと言だった。
知らなかった「四半期決算」の仕組み
「たしかに本決算を3月末にしてる会社は多い。でもな、会社ってのは四半期ごとに決算を出すんや。3月本決算の企業なら、6月、9月、12月も決算月になる。そして、その決算内容が発表されるのは、通常であれば決算月の1か月から2か月後。つまり、5月、8月、11月、2月あたりに発表されるんや」
「なるほど……。じゃあ、いまは第2四半期の決算が出たばかり、ってことですね」
「そういうこっちゃ。ちょっとは話が早なったな」



