「毎日、同じことばかりの繰り返しで、成長している実感がありません」と言う人。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「毎日、同じことばかりの繰り返しで、成長している実感がありません」と言う中年おじさんに、サラッと教えてあげたい名言とは?Photo: Adobe Stock

「何も変わらない日々」への焦り

 朝起きて、通勤して、会議して、帰宅して……。
 気づけば毎日、同じことの繰り返し。
 仕事にも慣れ、家庭も安定している。
 それなのに、どこか虚しい。

「このまま定年まで、何も変わらず終わっていくのか」
 と思うと、胸の奥が少し冷たくなる。

 多くの中年世代が感じている「成長していない感」の正体は、怠惰ではありません。
 むしろ、真面目に働いているからこそ起こる「安心の罠」です

 ルーティンがあるからミスは減る。
 でも、ルーティンがあるから、人生の速度も落ちる。

 そんな「変化のなさ」が、静かな不安を呼び起こしているのです。

「制限」の正体とは?

世界の果てのカフェ』という本には、そんな停滞感に気づいた人物の会話が描かれています。

ケイシー「人類史上かつてないほど、私たちは世界中の情報や人や文化や経験にアクセスできるようになっているわよね。存在理由を満たそうとするなかで、私たちが現在、直面している限界は、アクセスしやすいかどうかではない。自分に課している制限なのよ

ジョン「きみの言うとおりだ。まったくそのとおり。しかもぼくは、そのアクセスの良さをうまく活用していない気がする。自分の時間の使い方を考えてみると、毎日ほぼ同じことばかりしているよ

――『世界の果てのカフェ』(第11章)より

 このやり取りが示すのは、「環境のせいではなく、自分の制限こそが停滞をつくる」という真実です。

 チャンスは誰にでも開かれているのに、自分で「変わらない」を選んでしまう
 それが、成長実感を奪う最大の原因なのです。

人は「惰性」で生きてしまう

 さらに物語では、こんな一文が続きます。

「たぶん、『あなたはなぜここにいるのか?』という質問の答えがわからないからだと思う。なぜここにいるのか、何をしたいのかが、はっきりとわからないから、たいていの人がやっていることをこなすだけなんだ」
――『世界の果てのカフェ』(第11章)より

自分はなぜここにいるのか?」という問いを持たないまま働くと、仕事は作業になります。

 そして、作業には「意味」が生まれません。

 反対に、この問いを持つだけで、毎日のルーティンは一瞬で「目的のある時間」に変わります

 同じ会議でも、同じ資料作りでも、「自分の存在理由を果たすため」と意識するだけで、行動の質が変わるのです。

人生を動かすのは、「問い」と「一歩」

「毎日が同じ」と感じたら、それはチャンスです。
 今が、人生の更新ボタンを押すタイミング。

自分はなぜここにいるのか?」という問いを自分に投げかけてみてください。

 答えが出なくても構いません。
 考え始めた瞬間から、あなたの時間は動き出します。

 成長とは、新しいことをすることではなく、「自分を再び信じて動くこと」なのです

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)