すぐ論破してくる人が「コスパいいことしかやりたくないんですけど?」と言ってきたら、言い返したい。
そんなあなたに薦めたいのが、全世界45言語に翻訳され、世界500万部を突破しているベストセラー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』(ジョン・ストレルキー 著/鹿田昌美 訳)だ。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、おすすめの名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
※イメージモデル:ひろゆき氏(撮影/榊智朗)
正論がつまらない理由
「どうせやるなら、コスパのいいことをしたい」
最近、「コスパ」「タイパ」という言葉が口癖のように使われています。
「努力しても報われないなら意味がない」
「結果が出ないなら無駄」
そう言われると、たしかに合理的に聞こえます。
でも、何かを始めるときに「損得」でしか判断しない人ほど、結局は何も続かない。
なぜなら、コスパを基準にした選択は、「やらされ感」の延長にあるからです。
やりたいからやるのではなく、「効率がいいからやる」。
そんな動機では、少しつまずいただけで「コスパ悪い」と投げ出してしまう。
「やりたいことがある人」の熱量に、勝てるはずがないのです。
好きなことをやるという「自由」
『世界の果てのカフェ』という本には、まさにこのテーマを象徴する会話があります。
たとえばあなたが、すきま時間に創作活動をするとしたら、どんな作品をつくる?」
ジョン「わからない。どんなアーティストになりたいかによるんじゃないかな。好きなものをつくる、それだけだよ。単純なことなのかな? なぜここにいるかがわかれば、人はその理由を満たすためにやりたいことをすればいい、ってこと?」
――『世界の果てのカフェ』(第11章)より
このやり取りは、「やりたいことをやる」ことこそ最も合理的で、最も自分らしい選択であると教えてくれます。
好きなことをしているとき、人は自然に力を発揮し、学び、成長する。
結果として、それが「最も効率的な生き方」になるのです。
「やりたいこと」は誰かを幸せにする力
作中のジョンとケイシーはさらにこう言います。
じゃあ、ぼくがここにいる理由が人を助けるためだとしたら、ぼくの『人助け』の定義に合う限り、なんでも好きなことをやればいいのか……?」
ケイシー「そのとおりよ。あなたの人助けの定義が、医療従事者になることなら、そうすればいい。もしそれが、貧困地域にシェルターを建てることなら、そうすればいい。会計士になって人の税金の整理を手伝うことで人助けをしたいと思うなら、そうすればいい」
――『世界の果てのカフェ』(第11章)より
つまり、「やりたいこと」は自分のためだけではなく、誰かを幸せにする形で実現できるということ。
損得ではなく、「使命感」から生まれる行動こそ、最も価値があるのです。
コスパよりも、コンパスを持て
「コスパいいことしかやりたくない」と言う人に、こう伝えたい。
「やりたいことをやる人が、結局いちばんコスパがいいんですよ」と。
効率よりも、自分の「なぜ」に従って動くこと。
本当に満たされる人生は、損得ではなく「好き」から始まるということです。
(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)




