マイク・スー氏が米日用品大手キンバリークラークの事業運営を引き継いだ約10年前、23事業のうち22事業が苦戦していた。同氏は「この飛行機を飛びながら修理しよう」とチームに言った。それ以来、消費財業界のベテラン経営者であるスー氏は各事業部門の業績向上を支援してきたが、成果が出たのは紙おむつの「ハギーズ」、ティッシュペーパーの「クリネックス」、ペーパータオルの「スコット」の販売くらいだった。現在キンバリークラークの最高経営責任者(CEO)を務めるスー氏は、同社にとって大胆な、新たな方向転換に乗り出した。同氏は3日、解熱鎮痛薬「タイレノール」のメーカーであるケンビューを400億ドル(約6兆1600億円)で買収すると明らかにした。これは消費財セクターでは過去最大級の買収案件で、利益率が高いもののなじみの薄い消費者向けヘルスケア製品市場で主導的地位を築く狙い。
キンバリークラークCEO、「タイレノール」メーカー買収の賭け
特集
  
あなたにおすすめ
  







