椅子に座ったままローラーを転がし...
インドネシア国民も驚いた
こうした高市首相のコミュ力は、APEC首脳会議でも注目されました。会議の休憩中に、隣席となったインドネシアのスビアント大統領に話しかけたシーン。高市首相は、椅子に座ったままローラーを転がしスビアント大統領に笑顔で近づき、2人で何やら親しげに話し始めたのです。通訳を介していなかったので、英語で会話していたと推測できます。
この様子がインドネシアのテレビで取り上げられ、SNSでも動画が拡散されました。そのインドネシア語のコメントを翻訳して読む限り、同国民は、高市首相に好意的な反応です。

正確に伝え、感情でつなぐ
戦略的なコミュニケーション
以上、特に印象的だったシーンを振り返ってみました。私が重要だと思ったポイントをおさらいしましょう。
まず、英語力に自信がないなら無理に英語で話す必要はないということ。高市首相は公式スピーチや対談には、よく練られたスクリプトを用意して読み上げていました。文法や語彙の誤りを防ぎ、正確性を重視するなら、この方法がベストです。そのうえで、声のトーンや視線、ジェスチャーなどにはしっかり気を配る。こうすれば、人の想いというのは伝わるものです。
一方で、非公式な場では雑談を駆使していました。各国首脳が会うという貴重な機会に、互いの信頼関係を築くことは重要です。英語はうまくなくても積極的に話しかけ、相手の興味に合わせたコミュニケーションを図ることが好印象につながるのです(ちなみに韓国首脳とは海苔やコスメが好きという発言で盛り上がりました)。








