Photo:Gene Wang - Capture At Media/gettyimages
大谷翔平選手と山本由伸選手がロサンゼルス・ドジャースの優勝記念で行ったスピーチが、絶賛されています。いつもは通訳を付ける大谷選手が、自ら英語で語りファンの心をつかんだ表現とは?去年は「サンキュー」が精一杯だった山本選手が「地域への敬意も含んだ素晴らしいコミュニケーション力」と称賛されているのは、なぜでしょうか?成功したポイントを、英語コーチングスクール経営の専門家が解説します。(トライズ 三木雄信)
大谷翔平と山本由伸が
ドジャース3連覇に早くも意欲
米メジャーリーグでロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズ2連覇を達成しました。優勝パレードやセレモニーにファンが押し掛ける中、大谷翔平選手や山本由伸選手が流ちょうな英語スピーチを披露したことで、集まったファンらがさらに熱狂しています。
まず、大谷選手のスピーチから見ていきましょう。ドジャースタジアムでのセレモニーで大谷選手は笑顔でマイクを握り、通訳なしで自ら英語で語りました。
“Hello, hello. I want to say that I'm so proud of this team, and then I want to say you guys are the greatest fans in the world. I'm ready, I'm ready to get another ring. Let's go!”
「こんにちは。このチームを本当に誇りに思います。そして、皆さんは世界で最高のファンです。次も優勝する準備はできています。さあ、行こう!」
英語の単語や文法はきわめてシンプルですが、基本構文を繰り返すことでリズムを生み、聴衆の感情を引き出しています。チームへの誇りとファン、そしてLAという街への感謝とリスペクトが、しっかり込められていました。
特に“You guys”や“Let's go!”といった口語表現は、アメリカ人が親しみを感じる典型的なスタイルで、形式よりも一体感を優先する英語の特徴をよく捉えています。
何よりこのスピーチには、注目したい重要な表現があります。アメリカのプロスポーツでは、優勝チームの選手やスタッフに「チャンピオンリング」が授与されるため、“get a ring”は「優勝する」という意味の慣用表現として使われます。大谷選手がこの言葉を自然に使ったことは、アメリカ文化を深く理解し、自らその文化の一員として馴染んでいるといえるでしょう。
一方、山本由伸選手のスピーチも印象的でした。彼はマイクを受け取ると、まずこんな挨拶をしたのです。







