“考えすぎ”から解放された
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【決断のセンス】三流は「なんとなく決める」、二流は「考えすぎて逃す」、では一流は?Photo: Adobe Stock

「なんか怖い」で、3年を棒に振った私

 3年前、友人が「NISAを始めたんだ。けっこういいよ」と教えてくれた。
 面白そうだなと思ったが、同時にどこかざわつく気持ちがあった。
 その小さな不安を理由に、結局、そのまま何もしなかった。

 それから3年。
 つい最近その友人に会ったら、「え、まだやってないの?」と驚かれた。
 その間に、彼女は順調に資産を増やしていた。
 一方、私の銀行口座の数字は3年前とほとんど変わらない。
 むしろ、独立したことで以前より不安定になっていた。

 あのとき始めていれば――そう思っても、時間は戻らない。
 3年分の機会を、ただ「怖い気がする」という感情だけで逃していた。

世界的ベストセラーの教え

 この冬も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。

ある物事に対して一度抱いた感情がすべての真実を表していると思い込む。
つまり、「私がこう感じたから本当に違いない」と考えてしまう「認知の歪み」だ。

――『STOP OVERTHINKING』(P.189)より

 これは投資に限った話ではない。
「なんとなくの感覚」だけで、人生の選択をしていないだろうか。

 転職のオファーをもらったのに、「なんとなく不安」で断ってしまった。
 新しいプロジェクトに手を挙げようとしたが、「失敗するかもしれない」と躊躇した。
 副業を始めようと思いながらも、「うまくいかない気がする」と動けなかった。

 感情は無視すべきではない大事なサインだ。
 でも、それだけを根拠にするのは危険すぎる。
 なぜなら、「怖い気がする」と「実際に危険」は、まったく別のことだからだ。

三流と二流、一流を分ける考え方とは?

 まずは、自分の感情をそのまま認める
「投資が怖い」「不安だ」――そう感じるのは、ごく自然なこと。
 そのうえで、事実を確認する。
 次に、「なぜ怖いのか」「何が不安なのか」を具体的に書き出してみる。
 そして、その不安に根拠があるのかを調べてみる。

 私の場合、「投資は怖い」と漠然と思っていたが、実際に調べてみると、NISAはリスクはゼロではないものの、初心者向けで少額から始められる制度だとわかった。
 今の低金利では、銀行に預けているだけだと資産は増えない――それもまた事実だった。

 三流は「なんとなくそんな気がする」で決め、二流は「考えすぎて逃す」。
 だが、それではチャンスをつかめない。
 一方、一流が実践しているのは「確かめてつかむ」こと

 本書が教えてくれたのは、感情のままでも理屈だけでもなく、確かめて選ぶ力こそが、人生を動かすということだった。

 感情も事実も、どちらも大切にする。
 その両方を見られるようになって、ようやくお金の勉強を始められた。
 3年遅れたけれど、今度は「気がする」ではなく、確かな選択をしていきたい。
 そう思えるだけで、次の一歩が少し明るく見えてくる。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ―― 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)