「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
「“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
Photo: Adobe Stock
家族を「最優先」するインド人
インド民は家族を“最優先”する。
彼らは文字通り家族が一心同体のように活動している。例えば、インド民はまずもって1人で病院に行かない。もし夫や妻が風邪をひいたりしたときに、1人で病院に行かせて自分は会社に行こうものなら、家族関係は最悪の結果になる。
冠婚葬祭ともなれば遠方の親族であっても必ず赴かないといけない。もし参加しなかったら一族からつまはじきにあう。何百人もの出席者が集い深夜まで繰り広げられる楽しそうな結婚式も、インド民に聞くと実際は義務的に参加しているときもあるという。自分の結婚ならいざしらず、親族の結婚のために1週間も休暇を取らなければならないことも普通にある。
「他人を使って楽をする」インド的思考
インド駐在員の間では、「Family Urgent Issue(のっぴきならない家庭の事情)」はインド民の従業員が急に会社を休むときに使ってくる常套句としておなじみだ。
しかし、なぜ彼らはそこまで家族優先なのか。
それは、第一に家族というものが最後に頼れるセーフティネットだからだ。第二に、損得勘定を考えてもお釣りがくる重要な利益装置だからだ。
インド民は大きな家族の力を頼って生きているし、互いに一番身近な他者として協力することの強さを利用している。つまり、家族ファーストの態度と、自身の現物的利益に執着するインド民の思考法とはなんの矛盾もないのだ。
日本人の幸せのヒントは「インド」にこそある
家族の事情と言われると、こちらは咎(とが)めることもはばかられるが、家族を愛しているように見えるハートフルなインド民の裏にあるのは、あいかわらずの損得勘定と合理的思考である。
「日本人もこの習慣をそのまま取り入れればいい」とは言い切れない側面はある。しかし、過度に思い悩んでいる人にとっては、自分の幸福を効率的につかむヒントは、きっと“インド民の思考”にあるはずだ。
(本記事は『インド人は悩まない』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です)









