「“考えすぎ”から解放された」
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「時間貧乏な人」の時間の使い方
昔の私は、頼まれたことを断れないタイプだった。
目の前の仕事を必死で終わらせると、次々と依頼が集中するようになった。
頼られているような気がして、最初は悪い気がしなかった。
でも、ある日ふと、「なんかおかしくない?」と思うようになった。
気づけば、自分のやりたいことに手をつける暇がない。
他人の仕事ばかりこなしている。
そう気づいてからは、余裕ができたらさっさと有休を取るようにした。
会社員時代に身につけた、この「キャパ以上に受けない姿勢」は、フリーランスになった今でも非常に役立っている。
だが、それができずに困っている人は多い。
「断ったら嫌な人だと思われるかも」と恐れ、頼まれごとをすべて引き受ける。
気づけば、一日中、他人のタスクに追われ、自分の時間はゼロになってしまう。
世界的ベストセラーの教え
この秋も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。
――『STOP OVERTHINKING』(P.109)より
つまり、「忙しい自分」に酔っているうちは、本質的なことに手をつけられない。
「いい人」でいることがアイデンティティになっていると、断ること=関係を壊すこと、という誤解が生まれるのだ。
でも、本当に大切な関係は、相手の要望をすべて受け入れることでしか成り立たないものではない。
本書が教えてくれる貴重な教訓は、「制限」を設ける勇気だ。
「今週は対応できません」
「この部分は別の人にお願いできますか」
としっかり伝える。
たったそれだけでいい。
他人にとって「都合のいい人」でいることをやめた瞬間、時間の主導権は戻ってくる。
本当に「いい人」とは
限界を伝えられる人
「NO」は拒絶ではなく、誠実な制限である。
自分の限界を知って伝えることこそ、本当の信頼を守る行動だ。
すべての頼まれごとを引き受けていたら、たとえ、どれだけ仕事ができる人でも、中途半端になってしまう。
それより、できることとできないことをはっきりさせたほうが、相手にとっても誠実なのだ。
「いい人」の定義を上書きしよう。
他人の期待を全部受ける人ではなく、現実的に誠実な人こそが、本当の意味で「いい人」なのだ。
次に頼まれごとがきたら、一度立ち止まり、
「これを引き受けたら、自分の大切な時間は守れるか?」
と問うてみる。
その答えが「NO」なら、断ることにする。
それだけで、忙殺される毎日から抜け出せるようになっていく。
そんなシンプルだけどとても大切なことを本書は教えてくれるのだ。
(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)









