日経平均は史上最高値を更新した。だが、物価の値上がりは深刻で、実質賃金は8か月連続で減少した。
たった一度の人生、どうお金を使うべきなのか?
いま、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃のお金の戦術書」と絶賛されているのが、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。そしてついに全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』が日本上陸。この世界的ベストセラーはお金の「戦書」だ。スコット・ギャロウェイ(『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する最新刊についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【お金の使い方】三流は「感覚に頼る」、二流は「総資産で判断する」、では一流は?Photo: Adobe Stock

資産1000万円あるのに使えない人たち

マイホームを購入し、老後資金も貯めている。
一見、経済的には何の不安もなさそうに見える。

でも、いざ「旅行に行きたい」「新しいことを始めたい」と思っても、
なぜか躊躇してしまう。

資産が増えていっても、日常生活の自由度はほとんど変わらない。
帳簿上は裕福なのに、実感としての余裕は感じられない。

「もっと稼がなければ」と思いながら、支出を抑え続ける日々が続いていく。
――こんな状態に陥っている人は意外と多い。

本当に大切なのは、資産の「額」ではなく、その「中身」なのかもしれない。

お金の世界的ベストセラーの教え

世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。

富の階段を登りたいなら、資産ではなく、流動資産に基づいてお金を使うべきだ。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.58)より

資産があっても、すぐに使えるお金がなければ、経済的な自由は手に入らない。

家を売る予定がないなら、住宅資産は「ないもの」として考えるべきだ。
年金口座も同様で、将来のために積み立てているお金は、今使える資金ではない。

重要なのは、「今、実際に動かせるお金がどれだけあるか」という視点だ。

「三流」「二流」と「一流」を分けるものとは?

お金の使い方を考えるとき、
三流は「何も考えず感覚で使ってしまい」、
二流は「総資産額だけで判断する」。
だが、一流は「流動資産に基づいてお金を使う」のだ。

流動資産を基準にすることで、無理のない範囲でお金を使える。
急な出費にも対応でき、精神的な余裕も生まれる。

逆に、総資産だけを見て「自分は裕福だ」と思い込むと、
実際には使えないお金に頼ってしまい、いざというときに身動きが取れなくなる。

たとえば、マイホームの価値が上がったからと高級車を買ったり、
年金口座の残高を見て安心して海外旅行を繰り返したりする。

帳簿上の数字は確かに増えているが、これでは実際に自由に使える現金は減っていく。

本書を読んで気づいたのは、お金の自由とは「持っている額」ではなく、
いつでも動かせる額」で決まるということだ。

資産構成を見直し、「流動資産」を意識するだけで、お金の使い方は驚くほどクリアになる。
見た目の資産額に惑わされることもなくなり、堂々とお金を使えるようになるのだ。

見かけの資産に頼らず、今使える現金を基準にする。
それが、経済的な自由を手に入れるための持つべき視点なのだ。

(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)